アイデア

優先順位

「俺が生まれた時、たぶん、みんなが喜んだんだと思う」

たまごの色

たまごは偉大だ。 といっても、全然えらそうじゃない。 誰ともぶつからない。するっと、どんなかたちにも合う。 だから、いい。

駆け足の残る雪の朝

兄が家を出た。

9月の観測室

夜風の匂いが変わって、秋が背中から触れてきた。 僕がこの観測室での仕事を始めてから、もう半年近くになる。毎日規則正しく天文台までの坂道を昇り、陽の動きや星の流れを記録し、そうして坂道を降りていく。太陽と月が変わらず巡るように、僕の仕事も変わ…

君と誰かの、恋の詩。

「俺の人生は、この歌で始まったんだよ」

人間世界は悉く舞台です

今日は親友の誕生日。 彼も物語とか小説が好きで、一緒に大学で脚本を学んだ仲。お互い今も書き続けている。 書けば書く程に「人生」が分かっていくような気がするし、もっと底が深いと知ってしまって、分かっているのはほんの一部なのだなと、思い直したり…

浮かんでは消える いくつか。

つぶやいてみる。

どちらにしろ、ひどく

ひどく、いらいらする。 それは何かが嫌になったり、辛くなったり、そういういらいらではない。分かっている。気持ちがざわざわして、落ち着かない。振れては戻り、繰り返す。具体的な何かから、自分の立ち位置を定められたら良いのに。決定的なことが何か一…

ったらさぁ

オトナになったらさぁ。 あんまり泣かなくなったよね。冷たくなったとかじゃなくてさ。むしろ大事な人が増え過ぎて、少しだけ窮屈に感じたりすることもあったりするんだよ。でもさ、泣かないことの方が多いんだよ。後々になってそれを少しだけ後悔したりさぁ…

まるくない、きみのこと。

物わかりの良くない君が好きだ。 君が抱える矛盾が好きだ。君がその眼で世界を見るときに、どうして、なんで、って顔をしている時があって、私はそんな君の表情も、考えていることも、とても愛おしく思う。 君は傷つき易い。同時に粘り強い。いつだって意思…

蚊帳の内

今日はタマネギをメインにした料理の話をした。

夜のいきもの

久しく眠れない夜。

「そういや、最近どうしてんの?」

仕事終わりで疲れているくせに、さっきから部屋の掃除を止められない。

ずるい男。

生まれ変わったら、少しだけずるい男になろう。 居酒屋でいつもみたいに呑んだ帰り、私はつまんない男と別れてやたらと開放的で気分がよくて、ソウタがうちへ寄ってく?っていうから、寄っていってもいいかなと思った。それだけだ。電気をつけないとソウタの…

自分の仕事をつくる。

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)作者: 西村佳哲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02/01メディア: 文庫購入: 23人 クリック: 609回この商品を含むブログ (91件) を見る 合理的であること、生産的であること、無駄がなく効率的に行われることを良しとす…

私なりに、映画の感想をちゃんと言おうと思う。

今日は池袋で、知り合いの出ている映画を観る。*個人的な感想なので隠します。

自分が比較的正常だと思っているけど。

どうにもそうじゃないらしい。 私が腹を立てる多くの事は、私以外の人々にとっては取るに足らない事のようだ。薄汚れたハンカチしか持っていなくて、その手が不潔か清潔か自分じゃ判断もできないのに、この肉には火が通っているのか?厨房の衛生管理はどうな…

星は落ちても雨にはならない。

コサジさんとはキスだってしてない。 もちろんその先だってしてないし、というか、コサジさんは私の手を握る事すら、微笑みながら怖がっているみたいだったから。身体には触れないようにした。でも出来るだけ近くに居たいから、コサジさんの荷物を持った。中…

彼女は帰ってきた。

どうして帰ってきたのかとか、何があったのかとか、そういうことは気にならなかった。 これから、どう接していけば良いのかは、とても知りたかった。 * 彼女が出て行ったのは一年前。 たばこが増えたり減ったり、酒に呑まれたりもしなかったけど、自分を取…

向上意識と成功と、乗り越えられない場合のペナルティについて。

物語とは人生を意味するし、人生もまた物語に影響を受けて、育つ。 これはもう、何度も意識していることだ。日常生活でも想像や空想を広げる時にも。仕事をしていても、人間関係で引かれ合ったり反発しあったりして、互いに何かを交換したり混ぜ合わせたりす…

月まで届くか

月はこの世からの出口。 ふたが開いた夜にだけ、そこから外界の光が差す。 私たちは同じ入れ物の中の住人で、何も知らず暮らしている。 一緒に暮らしている分には楽しいから、気付かないだけ。 もし誰かが外に出ようとするならば、それは不安や混乱を招いて…

相も変わらず。

こいつをここに座らせておく事が、僕らの友情だと信じている。 洋司とボクは渋谷で映画を観た後、コーヒーでも飲もうと駅に向かっていた。観たのは新鋭監督のサスペンスタッチのヒューマンドラマ。ひょんなことから善良な人間が道を踏み外し、銀行強盗をして…

いけないよ。

待ち過ぎてはいけないよ。ほどよい所で、息抜きしないと。 好きなら好きで良いじゃない。ほらほら、息抜きしないと。 それでも待ってしまうんだ。息抜きしたら、あなたを圧迫しそうな気がして。 だから待つんだ。その方が、自分が苦しい方が、まだ良い。

目覚め、懺悔。

いつまでも微睡んでいたい朝、私は思い出すようにしている。辛い記憶、それも、大切な人の。 その日も私は朝からひどい低血圧に悩まされていた。枕元に置いてあるチョコの小さな包み紙にも手が延びないほど、全てに対して意欲がわかなかった。知っている全て…

さんさんと、輝いて

二人はただ黙って、歩いていた。 昭穂と俺は、共通の親友の彼女の舞台を観に出かけた。その帰りに。お互いにもう舞台の感想は言い合って、そのあと呑んで帰る?って返事にもただ昭穂は、うん、とだけ言って。あとはただ帰っていくだけの、静かでスピードの出…

巨人の大きな愛情

ボクは、街を壊して回った。 ボクは、とても大きいことを知っている。自分の身体がきみやあなたと比べて、とても大きいことを、知っている。例えば、君が家の屋根についている風見鶏だとするならば、ボクは君の家や街を見渡す灯台の丘、くらいにある。多くの…

崩れ落ちる豆粒

思い出の中はいつも暖かい。 幼い頃の風邪の思い出と言えば、兄が買ってきてくれた羊羹の味だ。頭痛と微熱でいつ世界から浮かび上がるか分からない私にとっては、唯一地上の食べ物のように思えた。 兄がくれるものはいつも私を喜ばせた。兄はまるで私の心を…

性格診断。性格認識。性格設定。

あの出来事から自分は変わった。変わるように、求められたから。周りの誰にもできないことだったから、自分は変わった。 物事を、建設的に、生産的に、能動的に行動的に、現実的に、扱うことを覚えた。その代わり、できないことを、できないままで、忘れた振…

明け方のまぶしさが無ければ良いのに。

私があの部屋に出入りするようになって、ひと月。 京子さんにあったことは、本当に不幸だと思う。丘の上の看護施設に勤めている京子さんは、それは働き者だった。人の世話をする楽しさなんて、私はこれまでずっと知らなかったけれど、京子さんはきっと、生ま…

訓誡の宴

丸い月の出た夜。集まったのは14人の修道僧達。そして長老が一人。 一人目の、一番若く、この道へ入り一番日の浅い修道僧がこういった。 「私は今朝、コミュニケ−ションが遠隔であることに腹を立ててしまいました。この世界の全てのものが、もともと言葉で…