性格診断。性格認識。性格設定。

 あの出来事から自分は変わった。変わるように、求められたから。周りの誰にもできないことだったから、自分は変わった。
 物事を、建設的に、生産的に、能動的に行動的に、現実的に、扱うことを覚えた。その代わり、できないことを、できないままで、忘れた振りをしなくなった。弱点を残せなくなった。そのせいで、人との距離が、広がってしまうことも、あった。

 もちろん相手には完璧を求めるつもりはないし、求めないし、人の弱さに眼をつむる。自分のできないことはできないときちんと言葉にして言う。無理をせず、無理をさせないように、行動している。苦手なことはあるけれど、逃げないし、嫌いに思ったことはない。好きじゃないことが極端に少ない訳じゃない。好きになれる要素が少しでもあれば、それはもう、好きなんだと思う、たぶん。
 でも、そこに大きな期待も大きな絶望もない。

 弱音は吐かないが、弱みを楽しそうに話すようになった。笑顔が消えなくなった。愚痴は言わなくなった。聞くこともあるけれど、そういう場には、あまり足を向けない。負のエネルギーのような、よくないものが、ある気がして。

 人の成功は嬉しい。人の努力は感動する。良いことを、「良いねぇ!」と言うのは好きだ。喜びを分かち合うのは好きだ。おめでとうを言うのが好きだ。
 人の失敗にはあまり共感しない。失敗は成功の裏返しだ。へこむより、次の手を考えよう。改善策を考えよう。悲しみや寂しさに浸るのは、それを利用する理由がある時だけでいい。例えば、物語を書くとか。

 失敗するのは怖くない。その為の準備を怠ったことが無いから。失敗は全て、自分の技術や要領とは関係なく、出てきた「災い」みたいなものだ。だから焦らないし、失敗に悩んだりしない。
 悩むとすれば、そういう自分が理解されていないんだなぁということ。相手に理解する気が少しでもあれば、分かるように糸口を伸ばしてあるんだけどなぁ、ということ。これだから、人間関係はいつまでも苦手なんだよなぁ、ということ。

 最大の関心は、この性格が外からは楽観主義者と取られること。そのズレをどう物語に取り込もうか。