2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夕暮れの少女とアメフラシ

思い出は遠く昔。 少女の名はキリコと言った。幼い頃から祖母に可愛がられ、母が働きに出る夕暮れには、いつも祖母のすぐ隣に座って一緒に夕食を食べた。キリコが幼い頃、父は母を罵りながら家を出て行き、そのまま二度とキリコに会いに来ることは無かった。…

 近所を観光する。

自分の住んでいる街を、実はよく知らない。もう2年と少しこの近辺に住んでいるけど、近所ではスーパーで買い物したり本屋を覗いたりするくらいで、公園も学校も知らない。何処で毎年夏祭りをしているかとか、出前を取るなら何処のそば屋が美味いとか、知ら…

ハリウッド/アクション世代の少年

ターミネーター、ランボー、ダイハード。激しい爆発と衝撃音。物陰からの銃撃戦。床に散らばり続ける薬莢。 幼い頃の少年は、彼らの世界に熱狂した。 孤立無援のヒーローが、行く手を何度も邪魔されながらも、次々に悪人達を打ち倒す。ただスクリーンだけが…

いられるのか?

* 私は、いつまで売れない役者でいられるのだろうか。 夢を追うこと、理想を持つこと、現実と向き合うこと、時間をつかむこと。 私は、いつまで恋人を待ち続けられるのだろうか。 ひとりを愛すること、ひとりに愛されること、求めて、求めないこと、時間か…

仕事を探しに新宿。

新宿へ行く。 仕事の面接を受けに行ったのだが、歌舞伎町一番街の前を通って、なんだか懐かしくなった。ロスト・イン・トランスレーション。 そういえば大学に入って一人暮らしを始めて、最初に見た映画がロスト・イン・トランスレーションだった。大学の英…

読み終えたとき

良い物語ほど、いつも寂しいきもちになる。 もちろん体調や状況によって、その物語が一番だったり一番じゃなかったりするんだろうけれど、 この何とも言えない喪失感は、決まってやってくる。最初にこの喪失を感じたのは、とても幼い頃のことだ。 映画「フェ…

物語の終わりはいつも寂しい

うそだらけの物語が 物語である理由を 読者へ誠実に 一回きり語った時に 知ることができる ほんとうのこと それは全ての物語は 終わるということ*同じ物語が私たちへ語りかけているのに 私たちは分かり合うことなく いつもばらばらで いつも寂しい「お前に…

出会いと別れを、100個作りなさい。

「彼女でも作りな!男とばっか遊んでないでさぁ」 頻繁に呑んだり遊んだりする友人に、ついメールで送ってしまった。「つい」って言葉で濁してみたが、メールなので何度か見直したり確認したりしてから送ったわけなんだけど。全然「つい」じゃないじゃん。本…