2008-01-01から1年間の記事一覧

空想 から 最も遠い リアリズム

とりあえず、久々の更新。 最近買った本を幾つか置いてみる。停電の夜に (新潮クレスト・ブックス)作者: ジュンパラヒリ,Jhumpa Lahiri,小川高義出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 42回この商品を含むブログ (7…

サボり過ぎ。

いくらなんでもさぼりすぎたー。 最近はと言えば、浅野いにおさんのコミック読みまくったり、 姉の結婚式に出たり、古い友人に会ったり、スニーカーを買いにいったり、ワインを飲んだりと、 人間的楽しみを満たしていた。 最近面白かった本は、「天の光はす…

ソラニンにハマる。/種田と芽衣子はひとりだと思う。

浅野いにお「ソラニン」を読む。 ものすごい久々の漫画体験とあって、読むスピードが遅くなったかと思った。実際には集中しながら読んだからだと思う。とても満足。おもしろかった。 読み終わった時に、やっぱり少しせつない気持ちになったんだけど、それ以…

捨てられないタオル

「捨てられないタオル」を、今でも持っていますか。 幼い頃から、身近にあった、たいせつな小さいタオル。 身体を優しく包んでくれた母の手。 使い古したからこその、優しいあの肌ざわり。 今でも持っていますか。 どうして今でも持っているんですか。 他に…

性格診断。性格認識。性格設定。

あの出来事から自分は変わった。変わるように、求められたから。周りの誰にもできないことだったから、自分は変わった。 物事を、建設的に、生産的に、能動的に行動的に、現実的に、扱うことを覚えた。その代わり、できないことを、できないままで、忘れた振…

日差しは強いがやわらかい。空気が冷えて、目が覚める。心地よいのは、秋のせいだろうか。それとも彼女の、23回目の誕生日だからか。

明け方のまぶしさが無ければ良いのに。

私があの部屋に出入りするようになって、ひと月。 京子さんにあったことは、本当に不幸だと思う。丘の上の看護施設に勤めている京子さんは、それは働き者だった。人の世話をする楽しさなんて、私はこれまでずっと知らなかったけれど、京子さんはきっと、生ま…

感謝したいと思える日

感謝したいと思える日 それは、今まであったことに意味があったと思える日。 苦しかったことが、実は楽しかったのだと気付ける日。 ただ、ありがたかったと思える日。 お疲れさまと、お互いが素直に言える日。考えの及ばない、健康が実感できる日。 節目を越…

できるだけ正しく勝負をしたい。

もめ事が始まるといつも思う。 お互いの正しさや間違いは、結局明らかにはならない。どちらが気付いて手を付け始めても、いつも、途中のどこかで諦められてしまう。 争いを起こすのはとても簡単にできてしまう。でも、それに纏わる全てを清算するのは、どう…

訓誡の宴

丸い月の出た夜。集まったのは14人の修道僧達。そして長老が一人。 一人目の、一番若く、この道へ入り一番日の浅い修道僧がこういった。 「私は今朝、コミュニケ−ションが遠隔であることに腹を立ててしまいました。この世界の全てのものが、もともと言葉で…

つい買ってしまう。

ロックンロールアーティスト: くるり,岸田繁出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2004/02/11メディア: CD クリック: 15回この商品を含むブログ (125件) を見るさよなら春の日が聴きたくて。もうすぐシングル出るし、一人で盛り上がってきた…

思い出の放課後

懐かしいものほど、小さく見える。 夕暮れの光をいつぶりにこの場所で見ただろう。不揃いに並んだ机の木目にオレンジの陽の光が斜めにさしていた。こんな眺めだっただろうか。こんな大きさだっただろうか。遠い昔のことでは無いはずなのに、思い出そうとする…

夜に駆け出す公僕の王

波の音が聞こえる夜は、誰かが僕を必要としている。 起きることをコントロールできる人間が、この世には何人いるんだろう? 僕はそれができる数少ない人間だ。特技は早起き。もちろん、眠気が無い訳じゃないし、人と同じように身体を休めなければ体調が悪く…

緑への亡命

亡命した男は考える。日々の労働の中に、言葉の中に答えを探している。* 最近の自分なら、よほどのことが無い限りは平穏な生活を続けている。 例えばそういった生活の先に何があるのか、未来って明るいの?なんて問題は、自分には意味がない。そう、今は思…

「調理場という戦場」

調理場という戦場 ほぼ日ブックス作者: 斉須政雄出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2002/07/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (45件) を見る一気に読み終えた。こういう本は勇気をもらう。仕事でもそうで…

「ダークナイト」は、今年一番の映画であり、わたしやあなたの一番の映画ではない。

「ダークナイト」を見る。 一応説明。「ダークナイト」は「バットマン・ビギンズ」の続編である。悪の蔓延る街を舞台に、マフィアや悪党を相手に法を逸脱した行為で街の秩序を保つ「闇の騎士」バットマンと、法に従い表立って悪を裁く「光の騎士」地方検事ハ…

もとから

もとからそうである人はいない。 もとからそうなる人もいない。精子、卵子から子供になり、大人になり、父や母にもなるが、すべては変化していく。瞬間の立ち位置はそこかもしれないけれど、私はまだ女であるしあり続けるし、あなたを、あなた達を許し続ける…

最期の言葉

赤塚不二夫さんの告別式で、タモリさんが白紙の弔辞を読んだ。 こういう話にはグッとくるものがある。本当にその人のことを思えば、言葉は自然に出てくるものだ。話しておきたいことは多かったかもしれないが、語るべきことはほんの幾つかの言葉で足りるもの…

たまに溢れる関連性。

あれやこれやと妄想すると、小さいことが関連していき、形を作る。それはまだ、物語の形すら取っていないのだけれど、次第に登場人物達が分かり、時代が決まり出して、テーマや暗喩や小道具がそろい出す。それらは統一されたテイストを保ちつつ、どんどんミ…

『溺れる彼女と御手の罪人』

『溺れる彼女と御手の罪人』 時代は1999年。 僕は空っぽの棚だけが残る玩具屋で、その日出所する姉さんを待っていた。 姉さんは憎まれている。母に、この村の女達に。姉さんは忘れたがられている。父に、この村の男達に。 だから、僕が守らなくちゃいけ…

the L word/Lの世界

Lの世界を見る。 DVD第一巻を鑑賞した感想。不安定だ、と思った。 思っていたより、テーマや題材の過激さやエロスに引っ張られすぎず、後半のとあるシーンでの会話がこのストーリーの肝になると分かり、最後まで見ることができた。愛とは、それぞれの違いに…

「この選択が間違っているかどうか」

最近、判断に迷う人を多く見る。 判断に迷った人に、よく、「この選択が間違っているかどうか」を聞かれる。もちろん言葉の通り判断して欲しい場合もあるのだけれど、その多くは、暗に(合ってますよね?)や(あなたの選択に従いたいと思ってます)など、答…

人間の印象とは

自分の印象については、より良いものであってほしい。様々な魅力的な一面達を、場や相手に合わせて選び、開放的で豊かな人間でありたい。ヴァリエーション。 相手の印象については、自分の想定の中にあってほしい。可愛らしかったり、懐かしかったり、純粋で…

テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞も、そして今年の大賞受賞作も、何かおかしくないか。

月刊「ドラマ」を読んでいて、今年はどんなのが受賞したのかと読んでみたが、あれはどうなんだ。 作家性だとか作者の視点だとか、「そういうものに期待します」とかいうコメントで作品が評価されているようだが、どうなんだ。あんなんが大賞でいいのか。何処…

失敗の瞬間

失敗の瞬間というのは、実は、気付かないまま過ぎていくはずだった成功の瞬間なのではないだろうか。 失敗は「起こる」のでは無くて、「裏返された」成功のことなのではないだろうか。小さな眼に見えない成功を、日々積み重ねていることが、失敗の瞬間に分か…

弟はどこへいった。

しんしん小雪の降る夜に、弟、何処へ行ったのか。 三度月が巡ったように、長い長い冬の夜。弟はその足、深雪埋めて、きつねに会いにいきました。 きつねは弟出迎えて、干した魚と大根と、味噌を煮込んで鍋にした。 そしたらたぬきもやってきて、一緒に食べよ…

「神童」シナリオ版

「大丈夫だよ、あたしは音楽だから」随分前の月刊シナリオを引っ張りだして、「神童」(脚本:向井康介)を読んだ。 理由は特に無いんだけど、予告をたまたまネットで見て、振り返った本棚に並べてあったので。シナリオ誌が出た当時、そして公開された当時、こ…

ネットが止まり、焦る。

急に接続不可になった。 直ったんだけど、なんか焦る。接続しないことへの焦りに、もうかれこれ何度出会ってきたことだろう。 山の中、引っ越し直後、通信工事と、その度にこの焦りと出会う。 接続できないことで仕事が進められず困るとか、具体的な害はまだ…

きっかけは白いひらひらと

高いビルの一番上からハンカチを落とす。 それを街の様々な場所の様々な事情の人々が見る。 それぞれにとって、ひらひらと舞う布はどんなものに例えられるのだろうか。落とした本人は嫌なことがあって、その気持ちが表に出ただけなのに、何も知らない人々は…

生態系

生態系という言葉を使えば、生きものと環境の関係を言い表わせた気分になる。 それはいかがなものか。そこにあるように思う、全体像。それってでも、本当にカタチがあるものなのか?生態系の限界なんてあるのかと聞かれると、確かめようが無いし、そういう理…