2008-01-01から1年間の記事一覧

最善を選ぶ必要性。

僕らは最善を選ぶべきだ。 ベターな選択肢というのは常にある。いわゆる、折り合いをつける、という奴だ。 しかしそのベターな選択肢には罠があって、それは、決して僕らを最善へは導かない。 できたかもしれない、もっとも素晴らしい世界。もっとも素晴らし…

幸福に至る物語、その物語る手段

物語が幸福な道筋へ向かうかどうかは、何処で決まるか。書いていて、この世界のこの人たちを幸せにしてやりたいと思う時、物語る手段が報われるものに変化する。そうでは無く、本人達に幸せかどうかを決めさせたい時は、物語る手段は乗り越えさせるものに変…

ジャイアニズムとは、おそらく、

ジャイアニズムとは、おそらく、「お前の不幸も幸福も、全部ひっくるめて俺が背負ってやる」という、男らしさの新しい表現方法なのでは無いかと、そして「だから安心しろ」という現代に不足しているらしい厳しくも優しい父親像なのでは無いかと、 勝手に妄想…

怒りの湧き出る場所

怒りとは、無意味だと思っていた。発散する怒りに意味は無い。それは自分の心のバランスを保つ為の感情表現だから、怒りとして発散しなくても、他人を恐れや不安に巻き込まなくても、解消できるはずだ。たとえば、書くことで。でも、好きと嫌いが近いように…

異なる土地の二人。

以前、写真で私自身を表現したいと、旅行に出たことがあった。 季節は八月のむし暑い日。大きな飾りの吊るさされた街を歩きながら、浴衣の子どもや男女を写真へとおさめていく。りんご飴、水風船、ちらかる紙コップに、色とりどりの氷と濡れた地面。暑い太陽…

こういうの好きだー。

http://www.1101.com/a/index.html なぜか分からないけど、たまらなく好きだ。分からないから好きなのかもしれないけど。 音符を眼で追いながら、単語が歌われていくのがなんか好きだ。なぜだろう。なぜだろう?

ドラマの隠れた果実。

短い物語は別として、一時間、二時間、連続ものと呼ばれるドラマ達。 それらのどこを楽しんでいるかと言えば、それは間の部分、つまり導入部と結論の間だ。どんな人達が舞台の主役になって、どんな答えを導き出すのか。それが物語の全てだけど、そこには説明…

未来観測

マンションの屋上くらい高ければ、星空の観測は難しくなかった。 眼下に胡麻ほどの小さい人々と、赤と白のライトが連なって光る産業道路が見える。私と教授は天体望遠鏡を夜空に向けながらあれやこれやと話し、最後に訪れるその時を待っていた。 「星の光が…

最近の夢。

電車と競争する蝶。猫に殺人(殺猫)をそそのかされる薬局店員。夜逃げした家族の子供部屋がそのまま賃貸物件になっている。皿を借りていく子供たちがいる。NO.17の皿を畑に投げ捨てられてしまう。 大丈夫か、自分。

ナカオミ・アームチェア

深夜、道を歩いていると、灯りのついた店を見つけた。 道路沿いからガラス越しに店内を覗くと、様々な種類の椅子が並んでいた。背もたれの長くゆったりした椅子、二人掛けの赤いソファー、子ども用の装飾の可愛らしい椅子。私はもう少しだけ中を覗きたいと思…

ガープの世界をやっと読み終えた。

作家が描く、作家の人生。 男と女と性と暴力、ユーモアと悲劇と喜劇。キャプテン・エネルギー。同じく物を書く人間として共感できる所が本文中に幾つもあり、読みながら何度も感心してしまった。 作家が扱うテーマに違いは無い。あるとすれば、それを扱う知…

ポルさんのこと

ポルさんが死んだ。 それは丁度、夏と秋が交代した日のことだった。僕は港まで父さんの漁船を迎えにいく途中で、自転車で海まで続く山道を下っていた。その日は太陽から届く光が少し弱くて、その代わりに風が少し強くて、下るスピードが速くなるにつれて、両…

創造の源泉

あたたかい水の中。外のあなたに語りかける、最初のお話。 息を吸うこと、息をはくこと、これから始まる全てのことに、私は期待しています。 あなたと生きていくこと、あなたの死を看取ること、そしてあなたに数えきれないくらいの幸福をあげること。 私にで…

お誕生日おめでとう。

上手く歳をとるには、どうしたらいいのだろう。 目の前にあるケーキには、私の名前とたくさんの生クリーム。甘いケーキが私にはお似合いだと言わんばかりの生クリーム。別に甘くないケーキなんて嬉しくもないんだけど。たまたま遊びにきた従姉のあきさんには…

仕事と人と。

入社して三年目。仕事と人について、少し分かったことがある。 それは10月の少し肌寒い日曜だった。気付けば秋、もうすぐ冬なので、そりゃそうかとスーパーで買い物を済ませた男は、家で鍋を作り始めた。今夜は牡蠣鍋をどうしても食べたかったのだ。台所で…

感謝は、することよりも、されることよりも、上手く還すことが一番難しい。

することは簡単。言葉でも、態度でも、相手の気持ちを考えて何かアクションを起こしていくと、いずれ相手が気付いてくれる。感じてくれる。 されることも簡単。言葉も無く、態度も無くても、ふとした瞬間に、その感謝は返ってくる。されることに、焦りさえ、…

今日はここまで。

お風呂に入る前と後の感覚。ご飯を食べる前と後の感覚。 何かが違っていて、何もそんなに変わっていない感覚の問題。 昨日が今日になる感覚。 誰かを好きになりそうになる、感覚。 今日の私の役目はここまで。あとは明日の私に任せる。 大きなことも小さなこ…

みんなで歳をとっていきたい。

きみと歳をとりたい。お前と歳をとっていきたい。 あなたと歳をとって、自分も同じように生き続けて、それで生きていたいから、死なないで欲しい。 だから、生き続けて欲しい。自分も生き続けるから。 大事にするから、あなたのことも、自分のことも、大事に…

刺激の有る生活

生活は単調で繰り返すものだ。 通い慣れた道、働き慣れた職場。季節が巡れば、路線事故も長期の休みもそこにある。不満は無かった。起きたら眠くなるし、眠ったらいつかは起きた。目的は生き続けること、そう言っても良い。そんな毎日に、男は静かに満足して…

とにかく殺さなくては。

作家は悩んでいた。自作の物語で、最近誰も殺していない。 風鈴の涼しく感じる季節、日差しの届く書斎で、一人の女が原稿用紙に向かい合っていた。女の職業は恐怖を売り物にする小説家である。読者達の普段は隠されている黒いスイッチを見つけ出し、指を押し…

締め切りとどう付き合っていくか。

締め切りと仲良くする方法。 締め切りとは、何かを作る人間に、いつもついてまわる問題である。問題と言ってしまうと、そのままネガティブな存在になってしまうので、なんとか別の呼び名を考える。決して締め切りは問題でもネガティブな存在でも無くて、私た…

「世界は気付かない」について。

このブログに脚本そのものを載せるのは、実は初めて、だったりするのかな? いつもは小説風の形式で物語を書いてますが、リアルの生活ではこういう形式で物語を書いています。もちろん、まだ練習の段階ですが。いつも何か課題が一つあって書いているのですが…

世界は気付かない

人物 糸瀬加奈子(28)海外映画バイヤー 樋口卓也(25)商社社員 ○東中野駅・改札(夜) 糸瀬加奈子(28)が駅員ともめている。 駅員「終電車はもう出てしまいまして」 改札から樋口卓也(25)が出てくる。 加奈子「あ」 一瞬眼が合う卓也と加奈子。 卓也「あ——…

読んだよー、飛浩隆さん「はるかな響き Ein leiser Tone」

http://www.dot-anime.com/tb/a_songs/にて公開中。 相変わらず料理描写が美味そうだ。こういうのを楽しみに読む作家さんの著作って、そんなに多くないので、その辺のテクニックも勉強しなくてはと思った。 ストーリーについては、人類の考えの及ばない外側…

ただいまエコロジー

家に荷物を置いてから、スーパーに牛乳とはちみつを買いにまた出かけた。 その前に家で見たニュースで「ルミネの商業ビル省エネ対策」なるものをやっていて、あぁ世の中じわじわエコロジーの流れになっているんだなぁと思って、家を出た。iPodとたばこと鍵と…

ごめんねアナロジー

「デュエットって、なんだか恥ずかしいよね」 付き合い始めて、初めて二人でカラオケに行った日のことだ。街中のカラオケにいくことになって、部屋についたまではお互い盛り上がっていたんだけど、部屋のドアを閉めてからなんとなく沈黙が始まった。どちらか…

バロンはもういないよ。

その街にバロンがやってきたのは、3年前。 最初に街角でバロンに会った男の子は、とても背の高い人だなぁと驚いた。黒いスーツと長いステッキ、微笑む笑顔と頭をなでてくれる白い手袋。少年はバロンのことを本物の「紳士」なのだと思った。 街中でもバロン…

このまま終わりに

1999年、僕らの夏はいつものように過ぎていた。 代わり映えのしない日常、ただ暑いだけの季節に、僕らはうんざりしていた。一夏の恋も、一夜の蜜夜もないまま、ただだらだらと喫茶店で時間をつぶしてみたり、気まぐれに駅前の店を覗き歩く毎日だった。僕…

大勢の中で

「男は何も生み出さない。できるのは、もらったものを分け与えるくらいだ」 今年で15になる妹が。会話の流れなんて無視して急にそんなことを言い出した。母は思わずほうれん草のおひたしを摘む手を止め、私は思わずおかずのかぼちゃをお味噌汁の中に落とし…

例えば、ブログの使い方として

日々の日記のように使って良いのだろうか? もちろん、書いていることが日記の要素を含まないわけではない。でも、より「脳の記憶」を確かにする為、メモを取るようにブログを使うのはいかがなものか。もう今更言うまでもないくらい、大勢の人がこのことを考…