読んだよー、飛浩隆さん「はるかな響き Ein leiser Tone」
相変わらず料理描写が美味そうだ。こういうのを楽しみに読む作家さんの著作って、そんなに多くないので、その辺のテクニックも勉強しなくてはと思った。
ストーリーについては、人類の考えの及ばない外側の者達と、現代の人間達と、ヒトザル達と、みんな「はるかな響き」の余韻に浸りながら、決して得られない「そのもの」を求めている、って感じなのかなー。響きが「さみしさ」や心の空白部分(心と言い出すといろいろ誤解があるかもしれないけど)や、私たちが行動する大元にある「何か無くなってしまったものを探して」「無くなってしまいそうな自分を確かめて欲しい」というものと似た形で示されていて、それについての話なのかなーと、私は思いました。
人々が音楽を愛するのも、響きによって不安になったり気分が高揚したりするのも、何か理由があるのだと思うのだけど、それはやっぱり、自分自身では解き明かせない謎なのでしょうか。どうして心があると思うのか。どうして心が心地よくなったり、苦しくて重く感じたり、それを音楽で回復できたりするのか。音楽で得られる「気分」に似たものを、私たちはとっても昔に失っていて、それを求める繰り返しが「生きること」として私たちが生活している中に溢れているのかもしれない。
やっぱり2001年宇宙の旅の影響はすごいんだね。アーサーおじちゃんは未来を見てきた人なのかもしれませんね。
夜中に読み始めて、一度うとうと眠ってしまい(その日の疲れで)、朝に読み返したので、なんとなくストーリーが上手くつかめていない気がしますが、きにしない。詳しい解説や評論は他の方の文章を楽しみにしますー。
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