ソラニンにハマる。/種田と芽衣子はひとりだと思う。

 浅野いにおソラニン」を読む。

 ものすごい久々の漫画体験とあって、読むスピードが遅くなったかと思った。実際には集中しながら読んだからだと思う。とても満足。おもしろかった。
 読み終わった時に、やっぱり少しせつない気持ちになったんだけど、それ以外に感じる違和感について、しばらくよく分からなかった。


 どうして、芽衣子がステージに上がったんだろう?


 物語の流れとしては、納得がいく。でも、創作上の必然性を考えて、どうして種田じゃなくて、芽衣子なんだろうと、電車の中でもバスの中でも考え続けた。
 そして答えが出た。


 芽衣子と種田はひとりなんだ。だから、芽衣子は種田を殺して、夢を追うことを終わらせて、安定しようとしたんだ。安定していく未来が、あの時の芽衣子には、必要に思えたんだ。だから、種田は死んだんだ。奇跡も何も起こらずに、種田は死んだんだ。
 芽衣子はそれにも後悔して、どうしようもなくなったのを、ステージに立つことで受け入れようとしたんだと思う。でも、やっぱり演奏が終わるのが、最後には辛くなるくらい、抱えきれなくて、
 でも、ちゃんと終わらせた。ちゃんとさよならしたんだよ、と思った。

 
 所々の小道具や、登場人物達も良い。
 何より、表情の良い漫画だ。素晴らしい。

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)