たまに溢れる関連性。

 あれやこれやと妄想すると、小さいことが関連していき、形を作る。それはまだ、物語の形すら取っていないのだけれど、次第に登場人物達が分かり、時代が決まり出して、テーマや暗喩や小道具がそろい出す。それらは統一されたテイストを保ちつつ、どんどんミックスされていって、物語(のようなもの)へと、姿を変えていく。
 この瞬間が一番大事で、もう後戻りできなくなる。
 これ以上進むと、もう頭の中の最高の物語を再現すべく努力する「埋め合わせや組み立ての作業」になりかねない。クリエイティブさが失われ始めるのは、今、この瞬間である。
 人は妄想の中で生きていくこともできる。自分に都合の良いように想像を巡らせ、連想を続け、世の中を違った色の瞳で覗き続けることもできる。しかし、神も仏も、偉い人もそうでない人も、全ての人が気付いているだろう。
 自分に嘘をついてはいけないと。

 こうして溢れ出た関連性の流れは、一つの形を求めてキーボードを叩かせるのであった。