物語の終わりはいつも寂しい

うそだらけの物語が
物語である理由を
読者へ誠実に 一回きり語った時に
知ることができる ほんとうのこと
それは

全ての物語は 終わるということ

同じ物語が私たちへ語りかけているのに
私たちは分かり合うことなく
いつもばらばらで いつも寂しい

「お前にわかるのか?」 「あんたにわかるの?」
きつくぶつけてやりたいとまで うずく感情のかたまり
それはきっと あなた自身の物語だからだろう

まるで私のことが ただ書かれていたように
眼が離せなくなる
過不足なく 私は私を体験する
最後に私は 私の手で 私の幕をおろす

さよなら さよなら ありがとう
もう会えないけど 会わないけど
だから最後は こう言いたいんだ

きみと会えてよかったよ