恋文日和

 読んだ。

恋文日和 (1) (講談社コミックスフレンドB)

恋文日和 (1) (講談社コミックスフレンドB)

 「恋文日和」/ジョージ朝倉
 いやいやフィクションでしょ……とか思いながら、3巻の最後まで読んでた。とても面白かったです。
 言葉や意思や表現は、一回抽象的にすると、ぐっと濃度を増すのかなと思いました。例えば手紙に書く、とか。
 ストレートに伝えることは、気持ちの中心に軸を立てる。プロポーズとか、司法の場での宣誓とか、言葉が精神を縛り付けて、同時に簡単に負けないように支えていく感じ。強い約束を創り上げる。それはストレートな言葉のチカラ。
 カーブさせて伝えることは、気持ちの強さを増幅する。ブースト。遠距離恋愛とか、妻に書くラブレターとか、母の日の似顔絵とか。一度フィルターを通して濾過された「気持ち」は、正確で無かったり、誤解を招くことも多いけど、受け取る側の器量次第で何倍にも輝いて見える。メールやネットで顔を見ずに恋愛してしまうようなもんも、これと似てるのかな。
 「生みの苦しみ」というのを、一度でも体験したことがあるだろうか?
 それ自体が楽しい人は、他の様々なこともストレート派な考えに近くなって、出来上がった映画や音楽は小説を楽しむ方が良い人は、他の様々なこともカーブ派な考えに近くなっていくのかなぁ。なんとなくそんなことを思いました。
 どちらも楽しめる人は幸せやね。