「きいろいゾウ」/「脳内ニューヨーク」

 読み終えたもの。

きいろいゾウ (小学館文庫)

きいろいゾウ (小学館文庫)

 西加奈子、「きいろいゾウ」。
 「ツマ」と「ムコ」の、緩やかでいて新鮮な日常を、見守る物語。ツマの見ている世界がとても好き。様々な動物や植物の声を感じ取りながら、それを読者として追いながら、ツマの世界に触れているのがとても楽しい。手触りや聞こえ方に人となりが出るんだなぁと、当たり前のことを考える。忙しい日々が続いて、読み終えるまでにとても時間がかかってしまった。でも、読み返す度に、「戻ってくる」感じがした。二人のいる田舎に。二人の家の縁側に。
 面白かったです。

 観に行きたいもの。

 チャーリー・カウフマン監督/脚本 「脳内ニューヨーク」。
 本当に大好きなものは、人生を延ばしてくれる。
 例えば私は、この映画が公開する11/14までは、たぶん死なないように生きていくだろう。軽はずみで「どうなってもいいや」とは、たぶん思わないし考えない。でも、観た後にならもう死んでも良いとか、そういう話でもなくて。大きい夢や熱い願望の為に生きている自分もいるけれど、こういう小さな「楽しみ」を重ねながら、カレンダーに小さく印を付けるように生きている自分もいる。
 生きることに飽きないこと。人生を楽しむこと。
 分かっていながら、ついつい考え過ぎて行き詰まる。そんな時、こういう映画を楽しみにできることを、とてもありがたく思う。