フローズン・タイム
予備知識も無く、映画を観る。
- 出版社/メーカー: CKエンタテインメント
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: DVD
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失恋のショックで不眠症になったアーティストのベン。空いた時間を使い、深夜のスーパーマーケットでのアルバイトをはじめる。不眠症がエスカレートして、ついには自分以外の時間が止まってしまう。
流石写真家と言うべきか、女性の美しさがとても濃く映っている。腰から胸までのラインとか、髪が顔にかかってその隙間に見える表情とか、ドキドキしました。
ばんばん裸が出てくるんですけど、あんまやらしい感じはしない。と同時に、セクシーに感じる。矛盾してんなーとは思います。言葉の上ではそうなんだけどさー。写真や絵や造形やらって、やっぱり本能的な「快と不快」にもの凄く密着していると思う。だから性欲とも食欲とも密接していて、胸のふくらみやら形やらをスケッチしたくなる欲望ってのは、それらと同時にあって当たり前。
監督の見たい世界って、きっとこういう世界なのねーとか思いながら観てました。
オープニングとエンディング辺りに、彼女に罵られるシーンがあるんですよ。ベンからの視点で正面からスロー映像なわけですが……写真や絵の静止した世界での表情とは全く違う、まさに鬼の形相です。このギャップはたまらないです。綺麗なものばかりを見ても、それでは生きている感じがしない。怒られたり微笑まれたり、見つめ合った永遠にも思えるような一瞬が、振り切りたいのに繰り返し思い出す嫌な思い出と同居している。そういうのが本当の「生きている実感」って感じがするなーと思いました。
ラブストーリー色は薄めです。「フローズン・タイム」は映画を作っている人の「眼」を想像して、愛する人の「美しさ」とはなんだろう?とか、そう思いながら観ると良いかもです。展覧会を観ているように鑑賞するのが良いのかな。
面白かったです。ありがとうございました。