沖で待つ、ニート、海の仙人。

 読んだ。絲山秋子さん、どんな人なんだろーね。

沖で待つ (文春文庫)

沖で待つ (文春文庫)

ニート (角川文庫)

ニート (角川文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

 なんでだろう、久々に読んでいてずっと心地よい。というか、今はこれを読んでいて良いんだろうという、安心感みたいなものがある。
 影響され過ぎたら自分が壊れていくし、でも、刺激の無いものは毒にも薬にもならなくて。そもそも人生の内で、読書体験の比重を大きくし過ぎるのも良くないのだけれど、それでも読み続けなきゃ生きていけない人もいるんだ。
 おもしろいものばかりが価値ある物語じゃない。人を育てるだけが価値ある物語じゃない。私たちは当たり前に老いていくし、生きている限り傷は増えていく。そしてその度に絆創膏貼ったりして、お互い老けたねぇって乾杯する。当たり前。そう、それが当たり前の人の物語なの。
 「海の仙人」に出てくる神様、名前をファンタジーという。孤独な者と話すくらいの、目立たない神様だけど、私はとてもとても好きだ。なんてったって、名前が良い。ギャップよりも、存在の柔らかさをイメージさせる。キャラクターと名前の相性がとても良いんだろう。
 
 私の悩みは、書く事では癒されるかもしれない。読む事でも癒されていくのかも。でも結局はそういう自分と付き合い続けていくしかない。治ったりしない。そういうことに期待しない。
 でも、近くに居てくれたら、きっと私は嬉しいだろう。そんな物語だった。


 まだまだ文庫もハードカバーもある!しばらく楽しい読書体験ができそう。書いてくれてありがとうございます。