安定と非安定

 思うんだけど、何かひとつ(もしくは2〜3こ)を一生懸命に大事にし続ける生き方と、その時その時の出来事や自分の目的に合わせて何度も大事なものを選び取っていく生き方と、どっちが幸せに近いんだろうか。どっちがって言うより、自分がどちらに向いているかを判断するにはどうしたら良いんだろう?と少し考える。
 一つを信じ続ける生き方は、「信念」とか「職人」とか「宗教」とか「独占」とか「一番愛する人はあなただけ」ってなことと関係があって、「頑固」「単純」「伝統」「王道」「一途」「一夫一婦制」「契約」「ブランド」「シンプル」とかって言葉と似ている所がある気がする。安定型か。
 その場その場の判断が大事な生き方は、一方に比べて「変化の多い状況ゆえの、(気分的な)自由度」や「苦しさと達成感の繰り返す頻度」が多く感じられる……ような気がする。非安定型かな。

 社会って呼ばれている場所で生きていくには、幾つかの条件は大抵つきまとうはず。
・人間と人間のやりとりが継続的にある仕事とか、環境。それも多くの場合、一対一よりももっと多くの人と。
・住んでいる場所(眠る場所)が、ある期間の間、ずっと同じ。
・とか。他にもありそうです。

 どちらの生き方をしていても、人と人が関わる以上、信頼する(される)関係ができたり必要になったり切りにくくなったりするので、非安定型はその辺にも不利というかリスクがありそうな気がする。毎回くじを引くような。
 安定型はその辺の面倒な所はあれど、それは最初に「外れ」を引くかどうか、本人が「外れ」を「当たり」に変えるよう働きかけるか、によって好転していきそうだ。

 物語の登場人物達が直面する大体の局面は、人対人がほとんどからんでくる。信頼や信用や、「継続していくことを、前提とできるかどうか」が、物語の進行を裏でささえている。安定型か非安定型かってことが、「変化する人」か「変化させる人」かってことと関係してきて、その上で登場人物の履歴や性格を作り上げる必要がありそう。