やっぱり側にいれる人間でないのだな、という思いばかり巡る。

　遠い誰かのblogに載っていて、あらためて好きになった。

　そのblog、とてもいい文体。
　主語とか目的とかじゃなくて、文脈の裏に感情が包んであった。それが読んでいてとても良く分かる。柔らかいものの輪郭を、文字が並んで示してる。もう、読む方もお互いに詳しいことは気にならない。前後関係がどうとか、どうでもよかった。今があるから、よかった。言葉選びが良い。居場所をちゃんと持つ文章。素敵だな、と思う。
　一緒に曲を聴いていると、神聖なものに触れたような気になる。人の気持ちと私たちが思っている何か。悲しいとも寂しいとも言えない、それに見合った名前がどうしても見つからなくて、でも経験したことは確かにある、なんとかしたいと強く願う、あの感覚。空白、もしかしたらそれは空洞なのかもしれない。
　顔も知らない相手の気持ちを、頭の中で一部同化するのは、とても特別で個人的な体験。
　ネットを通じて、文字から人を感じるということ、初めて自覚的になれたかもしれない。

シンシロ(2009年2月末迄期間限定生産価格盤)