袋小路の男。

 読み終えた。

袋小路の男 (講談社文庫)

袋小路の男 (講談社文庫)

 愛は病的? 自覚がないのは、病的だが。はたして病的でない恋愛などあるというのか。
 「人付き合い」なのか「恋愛」なのか。やっぱり好きな相手のことを、「人付き合い」の延長として捉えられないから、「恋愛」は「病的」なのだと思う。知り合った友達や仕事の同僚をドラマティックな相手だとは、やっぱり思わないもの。
 何かが「人付き合い」という実態を、ごまかしてしまう。見えなくしてしまう。
 それを奇跡や運命といった言葉では、ちょっと簡単すぎる気がする。美化している、というほど強調されていなくて、でも、自分の人生に関わるくらいの大きな出来事、だとは感じている。なんだろう。
 私も支配されている一人だとは、思う。こういう話、読んでいて楽しいんだもの。