ひょっとこ乱舞/モンキー・チョップ・ブルックナー

 「ひょっとこ乱舞」さんの「モンキー・チョップブルックナー」を観劇する。
 21日のことですが、また演劇を観てきました。初めて三軒茶屋に行きました。
 とてもとても面白いね。何よりも、最後まで集中し続けて観ていたのが久々だったです。それがとても素晴らしい。観客が物語を読み取り易いように、とてもなめらかに作られているなぁという印象でした。何処か粗を探せば見つかるのかもしれないけれど、とりあえず私は気付かなくて、どんどんストーリーに入り込んでいった。床を踏み鳴らす音、名前を三回読み上げるテンポ、場面が切り替わる時の演出方法、多少入り組んだ人間関係を上手くまとめあげるセリフ回し、シンプルな舞台装置が幾つもの場面を想像させる……ものすごい勉強になった。
 ちょうど私が観てきた回では、メインの役者さんが事故の為に車椅子に乗って芝居をしていて、最初はどうなんだろーなーと思っていたんです。意図していた演劇は観られるのかなぁと多少不安はあったけれど、これが逆に良い味を出していて、ラストシーンで車椅子を降りて演技を始めた時は背中や頭の後ろの方がゾクゾク。「演出としての意図はありません」と作演の広田淳一さんは公演前に説明してくれていたけれど、むしろ私は楽しめてしまいました。物語でメインの役者さんが二人いたのですが、一方はアクティブに外部の人たちとハンドボールや仕事やと活動するのに「車椅子に乗って」、一方はインドアに監禁されていた女性を匿いつつ次第に監禁する側へとスライドしていき会社も辞め現実との接点も失い……しかし「自分の足で立っている」。それぞれの違いをより明確に強調していたように思えて、なんて良いタイミングで観劇できたのだろうと、怪我をした役者さんには申し訳ないのですが、思ってしまいました。いやーしかし、面白かったな。
 星野さん、お大事に。またこの劇団の演劇を観に行こうと思います。客演の方の他の舞台もぜひ観させて頂きます。
 ありがとうございました。本当に面白かったです。